山麓絵画館
2007年冬の作品
「甲斐駒浮上」
(2007年9月の「花のワルツ」出展作)
Fabriano〜Watercolour Studio サイズ: 305X455o
2007年9月制作 北杜市長坂町
この季節とは関係なく、「花のワルツ」ミニ個展用に描いた一作。昨冬、数少ない降雪のあった夜が明け、スワと表に
飛び出すと、天空の雲間がどんどん広がって、その一角から甲斐駒が浮かび上がるように姿を見せていた。またと
ないチャンス! スケッチをしている暇もなく、写真を撮っていつか絵にしようと思い続けていたモチーフである。
個人蔵
「朝日射す甲斐駒」
サイズ: 330x420o
2007年 北杜市長坂町
山麓の住人たちが朝起きて天気を占うとき、決まって目にするのが甲斐駒である。朝日を受けて山容の陰影
が濃いるようならば、今日は山麓日和と胸をなでおろす。そんな象徴的な甲斐駒をこれまで何度も描いてきたが、
これからもまた、折に触れて描いていくと思う。それほどに、この山の見せる佇まいは千差万別で興味が尽きない。
「暮れなずむ鳳凰三山」
サイズ: 330x420o
2007年 北杜市長坂町
鳳凰三山は、八ヶ岳山麓からの南アルプス眺望では、その右側に聳える甲斐駒に主役を奪われて、いつも割を食って
いる存在だ。しかし、地蔵岳を真ん中に壁のように広がる山容は、複雑な沢筋が幾何学模様のようで、夕暮れ時とも
なるとそのシルエットが強調されて魅惑的な表情となる。ご存じオベリスクは、空気の澄み具合を計る指標でもある。
「北アルプス三段染め」
サイズ: 527X353o
2006年11月 長野県小川村
昨秋取材したままになっていた北アルプスの風景を漸く描きおこした。おそらく年に何度もない黄葉と新雪
と青空の三段染めの光景に恵まれたこの日、鹿島槍から五竜にかけての岩峰群が真っ白に空をえぐっている。
そのあまりにも崇高で印象的な姿に畏怖の念を覚えたものか、いつの間にか克明な山肌の描写を試みていた。
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