山麓絵画館


特設コーナー〜集落四図


少しまとめて一つのテーマを描こうと思い、ここ何年か絵の題材として思い入れが深い集落の四季を
現してみました。それが以下にご覧いただく「集落四図」。風景から感じ取った季節の色調を施すことから
始まって、それぞれの四季に佇む集落の息遣いのようなものまで汲み取りたいと試みた作品たちです。
そんな経緯から、絵の題名はその色調に相応しい和の色を拾って名付けてみました。制作はここ数年
とっておいたモチーフを基に今年の1〜2月にかけて行ったもので、絵の下に記した年月表記は、それ
ぞれの風景に出会った年月です。 集落4図に関するフィールド・ノートも併せご覧い頂ければと思います。






「萌木色の集落」
〜大エノキのある集落〜

Sounders Water Ford Natural F8相当 
2013年5月  須玉町比志

信州峠に抜ける県道沿いのみずがき湖にかかる手前、比志の集落は道の左右に広がる。
高台にあって集落を見守るような大きなエノキは県指定の天然記念物だ。新緑の山の
端に溜まった春の陽光に、集落全体が柔らかに溶け込んでいるような佇まいであった。











「草緑色の集落」

Stratmore Block 
2012年6月 須玉町小尾

何度も描いている小尾は御門の集落である。いつも描くのはこの絵の右手に下ってまた左回り
に続くカーブの道沿いからだが、どこから俯瞰しても中央の赤い屋根がチャームポイントだ。
コンテ鉛筆でタッチを出すようにデッサンをし、緑一色の単調な風景に変化を与えてみた。










                                                       個人蔵
「山鳩色の集落」

Arches Block 細目 
2012年10月 高根町浅川

これも何度も描いている浅川の集落で、陽が傾きかけた頃合いに高台から振り返ると
集落の織りなす反逆光の陰影が、まるで釣瓶落としの秋を奏でるかのようだ。そんな
雰囲気に乗じて、畑から立ち上る焚き火の煙を描き入れてみた。 なお、この絵は
Fノートで触れたモノトーンでの制作過程で立ち止まってしまった一作の“その後”である。











「藍色の集落」

White Watson 
2008年2月 須玉町下津金

雪化粧をするとどんな風景も見違えてしまうものだ。この下津金の下原地区を俯瞰すると
風景は雪に覆われているのに、普段は隠されて聞こえてこなかった集落の息遣いが立ち上って
くるかのようだ。雪の木々や家屋の陰影を丹念に描き出し、そんな息遣いまで拾ってみたかった。










←前の作品へ
  山麓絵画館入り口へ↑
次の作品へ→








トップへ
トップへ
戻る
戻る