山麓絵画館


2016年 春の作品





「水田の浅川集落」

Saunders Water Ford Natural F8
2015年5月 北杜市高根町 浅川

五月晴れの日に暫く振りに訪れた浅川集落は田に満面の水を湛えていた。八ヶ岳を背にした風景
がここの魅力なのだが、回を重ねるにつれて集落自体の持つ佇まいに目が惹かれるようになって
きている。スケッチ中に通りかかったお婆さんは、村には嫁のもらい手が一人しかいなくなってしまった
とこぼしていたが、過疎の静けさとは裏腹に、集落は明るい陽光の中で微笑んでいるようであった。












「桃園らんまん」

Arches
2015年 4月 韮崎市 新府共撰場

桃園の真ん中を走り抜ける辺りの七里岩ラインは、4月の初めになると左右をピンクに彩られ
素通りするのはとても難しい。何カ所かお気に入りのポイントがあるのだが、鳳凰三山を背に、
残雪の頂から足下の桃畑に至る春のグラデーションは、眺めているだけで幸せな気分になる。










「花の龍岸寺」

Fine Face Canson F6
2016年4月 北杜市長坂町長坂上条

サクラの季節になると一度は龍岸寺に足を運ぶ。丘陵に三方を囲まれた小さなお寺なのだが
境内を何種類かのサクラが埋め尽くすように咲く様は、いつ見ても心満たされる気分となる。もう
何点もスケッチしている(*)のだが、絵の題名はいつも決まって「花の龍岸寺」に落ち着いてしまう。

* 2013年のスケッチ
* 2012年のスケッチ









「サクラの長坂湖」

The Langton F6
2016年4月 北杜市長坂町長坂上条

長坂湖は別名「牛沼」と呼ばれ、かつては凍るとスケート場となったという。長坂の商店街からは隠れる
ように下った所にあるので、結構人影もまばらだ。甲斐駒とサクラと池という三段構えの風景がお目当て
で風がないとこの絵のように鏡状態となる。この日は甲斐駒が雲に隠れていたので、あとで描き足した。










「春浅い集落」

The Langton F6
2016年4月 北杜市小淵沢町下笹尾

春めいた空気に促されて取材で出かけた昨日、殆ど定点観測のように見ている下笹尾の
集落に立ち寄ると、残雪の甲斐駒を背に所々ピンクの花に彩られたのどかな集落の佇まいが
あった。素早くスケッチしてから今度は甲州街道沿いに下ると、至る所サクラが満開であった。











「道端会議」

The Langton F6
2016年4月 北杜市武川町山高

春のうららかな陽射しが満ちる頃、武川町はサクラで賑わう実相寺の上手に歩いていくと
花見客の姿も消え、野良仕事をする人達の日常の風景がとって替わる。道ばたで立ち話に
耽るお婆ちゃん二人、何を話しているのだろうか、時間が止まったようないっときであった。











「往きし日の東北」

Fabriano Extra White F8
制作/2015年 山形県 西川町の寒河江川上流域

もう10年以上も前になるだろうか、当時よく東北に遠征しては、ブナ林や雪解け水を運ぶ
流れを撮影したり描いたりしていた。この絵は寒河江川の上流域、背後の朝日連峰を
水源に新緑を縫って月山湖へと流れ下る川沿いの一帯には、私の大好きな東北がある。











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