桜咲く農道
Arches F10相当
2009年4月 小淵沢町の松向地区
桜がほころび、大地や木々に目一杯春が宿るこの季節、農夫はせっせと仕事に余念がない。
小さな集落のそんな光景が、農夫にはどう映っているのだろうか。そんな想いで描いた一作で
花木の輪郭を丹念に抜いた以外に、これといった拘りなく描いたものなのだが、個展では一番
注目が集まったようだ。
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秋楽章〜カラマツ林
Arches F10相当
2009年10月 川上村の信州峠付近
逆光の秋の日を浴びてカラマツ林は黄金色の輝きを増す。光の綾が織りなす様々なカラマツ
の表情が、まるで音楽を奏でているようだ。そんな表情を絵にしたかった。カラマツ林は私の
好きなモチーフで、この一点も幾層もの明暗を抜き書きで表してみたもので、最も手が込んだ
一作と言えようか。写真では微妙なニュアンスが映し出されないのが残念ではある。
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八ヶ岳浮上〜雪の平沢峠から
Fabriano Extra White F8相当
2010年1月 高根町清里
降雪のあった朝、平沢峠に出かけてクルマの中で粘ること1時間余り、漸く雲が取れて
八ヶ岳がその姿を現してくれた。この光景は車中でスケッチした一作があるのだが、アングル
や雲の表情を変え、手前の木々も別のものを配して、アトリエで一から描き上げたものである。
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コブシの春
(案内ハガキに使った絵です)
Sennelier F8
2009年4月 富士見町立沢地区
コブシはまだ芽吹き始めたばかりの浅い春の林に、白い輝きを発してくれる。独立した木立だと
均整の取れた円錐形の姿がまたきれいだ。昨年はそんなコブシが見事に咲いてくれたが、今年は
天候不順で見る影もない。端正なコブシの佇まいをざっくりとした背後の林で際だたせるべく意を注いだ。
私の好きな一作に仕上がったので、今回の案内ハガキにも使ってみた。
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雲湧く甲斐駒
Sennelier F8
2009年5月 小淵沢の我が家付近
5月は残雪の山々が絵心を誘う。春の陽光を目一杯浴びた甲斐駒が、その中腹あたりから
しきりに雲を立ち上らせている姿はよく目にする光景だ。刻々と表情を変えていくそんないっときは、
見ていて飽きないし、晴れ渡ってくっきりと落ち着いたる姿以上に魅力的ですらある。
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暮れなずむ山麓
Fabriano Extra White F8相当
2009年9月 長坂町の小荒間地区
夕焼けの空は予告もなく突然と現れ、同じ表情を二度とは見せてくれない。その上、色も雲の姿も
刻々と変わり、留まるところを知らない。この絵も写真を元に描き起こしたものであるが、雲の形を
少し変えたり、近景とのコントラストをかなり変えたりで、写真とは異なった趣とした。前掲「桜咲く農道」
や、別掲「雪の釜無川」とともに、注目を集めた一作であったようだ。
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シジュウカラ
The Langton F4
2010年3月 小淵沢の我が家
我が家の野鳥たち・・の第4弾。降雪のあった朝、三つ葉ツツジの枝に留まったシジュウカラが
愛らしい。背後は雪の積もった庭なのだが、多くの方の目には青い空と映ったようだ。それはどちら
でもいいことなのではあるが・・・。
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<おわら風の盆>
今回展示した風の盆の絵以下4作は、「おわら風の盆」のページに移行しました。
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