山麓絵画館


2014年 冬




                                                  
「雪の金峰山」
White Watson F10
2014年3月 長坂町小荒間

一度この山をモチーフにして描いたら(下の絵)、ことあるごとにその姿を追い求めるようになった。
ゆったりと尾根を張る姿のいい山容のせいか、これまでさして注目してこなかった反動か、とにかく
私の目を惹くのである。山は昨夜の雪をまとって、この日も空の一角を堂々と切り取っていた。











                                                  
「積雪の朝」
Stratmore Block F10
2014年2月 小淵沢町上笹尾 〜我が家近く

これは2月の最初の大雪が降った翌朝9日の風景である。当家から苦労してラッセルをし、60b
ほど下った開けた一角に辿り着いてから記念に撮影をした。人力での除雪はとても無理かと溜息を
漏らしつつも、甲斐駒から足下の雪原まで、粉雪をまとった美しい風景に息を飲むのであった。










                                                  
「大雪残る山麓」
Wirgman Block F8
2014年2月 大泉町谷戸

2月下旬、2週連続の大雪に見舞われた山梨県下の風景は、それから1週間経っても雪国のそれだ。
漸くクルマを持ち出せるようになってから撮影する余裕も生まれたのだが、この一点は降り止んで
から9日目に撮った写真を基に描いた風景である。雪の量はまだまだ希に見る分厚さであった。。










                                                  
「茅ヶ岳 夕照」
Saunders Water Ford Natural F8
2014年1月 長坂町小荒間

今年は寒さは一級だが雪が少なく、1月に入っても大地はかなり乾いたままだ。そんな冬の
日の夕方近く、小荒間の開けた畑地に出ると茅ヶ岳が斜光を浴びて長い裾野を曳いていた。
この山の全体像を描くときは近景の畑地も広く取り込まねばならず、そこが少し厄介な処だ。







以下は、少し趣向を変えて、制作の過程を掲載してみました。
八ヶ岳山麓から望む冬の金峰山、これまで取り上げていなかったモチーフです。







デッサン↑と彩色初期↓
紙はArches荒目のカット紙、これを水張りし、HBでデッサンを取っています。

 初めて描く山なので、デッサンはかなり念入りなものとなりました。
ここまで描いた上で、彩色前に練りゴムを使い、中央金峰山の部分を
中心に鉛筆のタッチを抑えました写真は抑える前の段階)。

◆ 下は、画面全体に一通り彩色を施した段階です。この段階で色調と
全体の雰囲気をチェックし、ここからよりしっかりした彩色に移ってゆきます。





↓ 完成画

◆ 全体的にしっかりした色調とし、光と影のつくるコントラストを施しました。また、色調
と明暗の双方について、中・近景はより強く付けてメリハリと奥行き感を表現。制作の
段階を見せるという意図からして、やや説明的な仕上がりとなったかも知れません。







                          
「金峰山遠景」
Arches  荒目 393x510o
2014年2月 大泉町西井出

金峰山は秩父の山塊の奥に控えめに聳えているせいもあって、八ヶ岳とか甲斐駒さらには遠く
富士山まで名だたる山々が見渡せる八ヶ岳山麓にあっては地味な存在に属する。しかし、この
山を描いてみると、ピークから張り出した長い尾根、周囲の山々より一段と白い堂々たる山容に
この山を百名山から外さなかった深田久弥の慧眼を重ねて見る想いがするのであった。









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