山麓絵画館


2012年 春




「下笹尾の集落」

Montval Canson F8
2012年5月 小淵沢町下笹尾

5月も末になるとどの水田も田植えが終わっている。何度か描きに行ったことのある茅葺き農家のある
集落を訪れると、新緑に彩られた農家の家々が、水田越しに瑞々しい風景を見せていた。直ぐ背後の
農家のお婆ちゃんが、うちの庭からは駒ヶ岳も良く見えるので、今度は中に入って描きなさいと言ってくれた。















「岸辺の春〜千曲川上流にて」

Montval Canson F8
2012年5月 長野県 川上村

願ってもない五月晴れの日、久しぶりに川上村に出かけてみた。この日は終日残雪の八ヶ岳が遠く
離れても空をえぐっていた。千曲川沿いを遡っていつかスケッチしたことのある橋の上にやってくると
また同じ絵を描きたくなった。流れの先に八ヶ岳、絵心を動かす風景とは、いつも色褪せないものらしい。
















「山麓五月晴れ」

Saunders Water Ford F8
2012年5月 高根町箕輪

田圃には水が引かれ、新緑が日に日に鮮やかにとなっていく5月。1年中で最も輝きを放つこの季節
になると水田が残雪の山を映し、集落の一角には鯉幟が泳いでいたりする。描くにはおあつらえ向きの
要素を全て盛り込むと、結構なんでもない絵になってしまうものだが、そういう一点となったかもしれない。











「田植え前」

Saunders Water Ford F8
2012年5月 大泉町谷戸

5月も下旬になると水田脇の至る所、苗が運び込まれてもう田植えを末ばかりとなる。そんな光景を
構図上のポイントとしてみた。昨年のモチーフからの絵におこしたものなのだが、今年もそろそろ田植えの
時期が近づいてきた。正面奥は茅ヶ岳。滅多に描かない山なので、このHPでは初登場かもしれない。











「花の龍岸寺」

Montval Canson F8
2012年4月 長坂町長坂上条

こちらは長坂上条にある龍岸寺。三方を小高い丘に囲まれ、畑地を回り込んで行くと漸くその所在が
分かる所で、林の中に潜んでいるといった風情である。どちらかと言えば市街地に近い場所なのに
境内は深山の趣もあり、春先にはサクラをはじめとする花々が、お寺の一角に華やぎを添えてくれる。











「サクラ乱舞」

Montval Canson F6
2012年4月 白州町台ヶ原

このサクラも白州の龍福寺というお寺の正面入り口に咲いているソメイヨシノである。その姿が絵になる桜の木
は意外と少ないものだが、このサクラはその少ない一例。出会いのインスピレーションをそのまま絵にした。









「白州小学校の桜と甲斐駒」

Montval Canson F8
2012年4月 白州町台ヶ原

お寺と学校というのが、そこに行けばサクラと出会えること請け合いの場所だろうか。学校のサクラはその
創立の歴史からして、この辺ではどこでもかなりの老木となっていることが多いのだが、春先だけは見事な
華やぎを見せる。生徒数の減少に伴い廃校の憂き目にある学校そのものとは、まさに好対照の華やぎである。











「サクラと欅のある集落」
(上津金の集落)

Saunders Water Ford F8
2012年4月 須玉町 津金

何度も訪れては描いている上津金の集落、サクラ満開の季節を絵にしてみた。中央一群の木立の中に
あるお寺は、密集したサクラと、天をつくような大欅に隠されてその姿はいつも見えない。まるで花と芽吹きの
大欅に守られた砦のようなこの一角は、一段と絵心を刺激してくれた。(昨年のモチーフからの描き起こし)









                                       個人蔵
「満開」

Saunders Water Ford F8
12年4月 高根町村山西割

春先、なだらか山麓の斜面では、所々サクラが島をなすように点在する様を見晴るかすことができる。そんな
印象的な島の一つが、泉龍寺という高根町のお寺である。境内には、密に枝を張った大柄なサクラが何本か
目一杯咲き誇っていた。サクラの命を写し取りたいと絵筆を動かした。(昨年のモチーフからの描き起こし)












「釜無川の岸辺で」

Montval Canson F8
2012年4月 韮崎市円野町

甲州街道を韮崎に向かって走り、穴山橋の手前から釜無川の右岸に出ると、思惑通り八ヶ岳の全貌が遠く
に広がっておあつらえ向きの風景が待っていてくれた。足場の悪い斜面を下り、流れの畔に陣取ると川面をつたう
風も心地よく、一気呵成に描き上げることができた。中景をなす七里岩の崖が春の日を浴びて印象的であった。。









「山麓春めく」

Montval Canson F8
2012年4月 長坂町日野

まだコブシもサクラも咲いていないが、長かった山麓の冬が漸く幕を下ろしたようなこの日、久しぶりに
スケッチに出た。もう何回も描いている甲斐駒からアサヨ峰に繋がる山容も、こうして季節が移ろうとまた
描きたくなるものだ。最近その傾向が強くなっている集落の情景描写に時間を費やすことになった。









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