「いきいき水彩画 7」(2005年12月発行)
〜掲載作品と文章〜
<癒しの山里> 只見 〜森と水の四季
奥会津の一角、新潟との県境に接する只見町は、伊南川と只見川の流域に開けた僅かな平野部を
除いて、その大半が山の中である。名だたる豪雪地帯で、冬はクルマの乗り入れもままならぬほど
の厳しい自然に閉ざされるが、その分、春はこぼれるばかりに輝きを放つ。雪の下で一冬越した野菜
は独特の風味を蓄えて美味しいというが、只見はまさしくそんな風土にあり、地味の肥えた自然と
人々の温さが魅力である。
この只見町には、知人の写真家が農家を借りてつくった活動拠点があって、私はそこを何度か訪れ
ているうちに、只見の自然にすっかり親しむようになった。
絵の取材も四季を通して・・・と言いたいところだが、実はその名だたる豪雪の季節には一度も足を運
だことがない。それでも、降雪のあった晩秋や、豪雪の名残を留める春先にはやってきた。そんな中
で描きためた作品から、タイトルとした「森と水の四季」に相応しい何点かを選んで掲載させていただ
くことにした。
只見にゆったりと流れる自然の息遣いを感じていただければ幸いである。
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